with a pair of yellow glasses

German, music, Perfume, Kalafina

理想のジャズ喫茶

記憶に残る限りでたしか4回目だ。

その日も、明るめの店内の壁際の小さなテーブルで、流れてくる大きめの音を聞きながら本を読んでいた。読んでいた本のタイトルは忘れてしまった。

流れていたのはピアノトリオだろう。
店内に漂うコーヒーの香りが心地よい。
スピーカーから流れるレコードの音以外は静かだった。

あのお店はどこにあったんだっけ?
記憶に残っているのは、駅に直結したビルが吹き抜け構造になっていて、その二階か三階の、吹き抜けをぐるっととりまく通路に面していた、ということだけだ。



目覚める、それが夢だったことに気付くも、どうしても夢であったとは思えない。妙な表現だが、あまりに生々しい心地よさだったのだ。

絶対に行ったことがあるお店だ、いつだろう?どこだろう?

音量、掛ける音楽の趣味、雰囲気、座り心地、コーヒーのうまさ、どの点を取ってもかなり理想に近いジャズ喫茶なんだよな。

夢に見ること4回目、毎回あまりの心地よさと記憶の生々しさで、夢と現実の境界線が曖昧になる。


今でも、過去どこかで行ったことがあるんじゃないか、と不思議に思っている。



おそらくは、これまで訪れたことがあるジャズ喫茶や喫茶店のよい部分の記憶が融合して、夢となって出てきたんだろう。



そして毎夜、またあのジャズ喫茶に行きたいと願いながら、私は目を閉じる。